講談社メチエから『戦下の読書 統制と抵抗のはざまで』を刊行(しているはず)。オーストラリアなのでまだ自身では現物を手にしていない。以下のような内容。5月に樹村房から刊行した『読書調査の歴史と資料』が読書傾向調査のいわば資料編のような感じで、今回出した本は考察、論考編という感じになる。個人的にはこの調査を通して農村や工場でのノンエリート層の読書がいろいろと見えてきたことで気づかされることが多かった。
はじめに 思想統制という幻像
序 章 読書は国家のために?――読書調査と思想統制
第一章 子供は見てはいけない――「悪書」の誕生
第二章 勤労青年は何を求めたか――娯楽と修養のはざまで
第三章 銃後女性の読書とその動員――忘れられた小説と忘れてはならない小説
第四章 ファシズムとエリート学生との回路――愛と認識との行方
終 章 読書を掘り起こす――「見えない」読者を追って
おわりに 読書傾向調査の系譜