2019年12月24日火曜日

タイの国立図書館へ


タイの国立図書館ははじめての訪問。ただ、1泊で翌日ジャカルタに戻ることにしていたのであわただしかった。ただ、アクセスできる蔵書には戦前の日本語資料は若干の寄贈をのぞいてあまりなかった。
いろいろば場所に分散して保管されているという話ではあったが、そもそも日本語が読めるスタッフがいないので、それらを集めるにしても整理するにしてもかなりの時間と調整が必要か。

2019年12月22日日曜日

インドネシアでの調査


インドネシア、タイでの調査。インドネシアは4年ぶりくらい。国立図書館は前の建物から新館に移動。世界一背の高い国立図書館という。初日は書庫に入れてもらって作業。二日目からはアクセス制限があったが、職員が休みなく書庫を往復して点検したい資料を閲覧スペースまで運び出してくれた。ジャカルタでは交通渋滞にこりているので、ともかく国立図書館に歩いていけるホテルで滞在。

2019年11月18日月曜日

合同研究会

今日はリテラシー史研究会を、田中祐介さんの主催する「近代日本の日記文化と自己表象」研究会で報告させてもらう形で行った。報告は以下のとおり。

【特集:取り遺された研究リソース 直木賞作家・榛葉英治の日記から】
「榛葉英治日記 研究の経緯と基本情報」(和田敦彦)
「逡巡と決心の長期反復から時代を読む 榛葉英治日記からみる戦後小説メディアの変動」(田中祐介)
「榛葉英治『乾いた湖』と映画化 日記の記述から」(中野綾子)
「釣魚礼讃 「釣り」を書くことの文学的意識と、メディア的需要をめぐって」(河内聡子)

何より参加頂いたいろいろな方からたくさん質問や意見がもらえてよかった。今後のことを考えていくうえでとても参考にもなりました。

2019年10月27日日曜日

東アジアと同時代日本語フォーラムで報告

台湾の政治大学、東呉大学を会場として行われた東アジアと同時代日本語文学フォーラムで報告。日比さんが企画してくれたパネル「「大東亜」の書物と表象 アジア太平洋戦争期における文化政策・戦場・統制」で中野綾子さん、五味渕さんとも一緒に報告。
プログラムへのリンク

日比嘉高 戦時下における小売書店 企業整備と統制組合
五味渕典嗣 帝国の自画像 想像される「大東亜」
中野綾子 兵隊という読者の宣伝 雑誌「兵隊」の記事を中心に
和田敦彦 対外文化政策の抗争地点 戦前サンパウロの日本語出版物情報誌『文化』から



台湾で久々の再会

台湾では中興大学で教えている朱恵足さんに会うことができた。信州大学の修士課程で教えていた頃からの縁で、その数年後にやはり信州大学に来た楊智景さんも今では中正大学の先生。二人ともとても忙しいそうだったが、時間を作ってくれて久しぶりに会うことができた。20年ぶりくらいだろうか。
朱さんに台湾慰安婦についての博物館AMA Museumや自身が台北に上京してきた頃の思い出の地を案内して頂いた。


2019年9月30日月曜日

ブラジルから帰国

あっという間の一ヶ月半、もう一ヶ月ほしかった。サンパウロ大学の先生方には本当にお世話になりました。一緒に食事をする機会も多く、楽しい滞在期間でした。学生さんたちも暖かく接してくれました。ぜひまた調査に来たいと思います。サンパウロでは色々な人とつながりができたことが本当によかった。まだまだ調べたい資料がたくさんあるし、お酒も食べ物もおいしい。


2019年9月29日日曜日

サンパウロ人文科学研究所

サンパウロではサンパウロ人文科学研究所(人文研)で資料調査。授業が忙しく、なかなか時間がとれないが、あいている時間はともかく通って貴重な戦中、戦前の雑誌資料や日記類を利用させていただいた。研究所の資料を日本でも閲覧できるよう協力していくことに。今回は遠藤書店の刊行していた雑誌「文化」の周辺を重点的に調べる。


2019年9月28日土曜日

ブラジリア連邦大学での講演

アリアンサからバスで10時間かけてサンパウロに夜中に着。翌日ブラジリアへ講演に。サンパウロから飛行機で2時間ほど。写真や話では聞いていたものの、未来都市のようなブラジリアの景観はショッキング。気温は高いが乾燥してからっとしている。夜に日本学科向けの講演、翌日の午前には文学系の院生向けの講演をしてサンパウロへ。聞いている人達からのリアクションも豊富で楽しい講演でした。




2019年9月26日木曜日

第三アリアンサ、第一アリアンサ、弓場農場

サンパウロにいる間にぜひ一度調査に訪れたかったアリアンサにようやく行くことができた。資料整理に協力してきた日本力行会はアリアンサ移住地建設に大きくかかわっていたし、アリアンサには戦前から多くの知識人が移住し、独自の文化を発信してもいた。サンパウロからバスで10時間ほど。戦前に移住された1世の島崎さんから話をうかがえたのは貴重な機会となった。また弓場農場の資料館ではアリアンサで作成された新聞や機関誌など、多くの資料を見ることができた。もっと時間がほしい。庭では50センチを越えるイグアナがのしのし歩いていた。



2019年9月16日月曜日

パラナピアカーバへ

パラナピアカーバへの一日のツアーに参加。ブラジルに来る前からいろいろ情報を頂いていた肥田さんご夫妻のおすすめ。サンパウロ市は標高700メートルほどあり、サントス港からまず高度の高いパラナピアカーバの駅までアプト式の鉄道で上る。かつては鉄道の重要な拠点で、今は博物館や史蹟として公開されている。年中霧につつまれているというが、この日も霧。


2019年9月15日日曜日

ブラジル国内を旅行

一週間休ませてもらい、ブラジル国内を旅行。といっても広いのでリオデジャネイロに2泊、イグアスに移動して1泊でサンパウロにもどる旅程でもけっこうせわしない。イグアスではアルゼンチン側とブラジル側から滝をまわるコースを一日で組むことに。




2019年9月6日金曜日

キャンパスの中ツアー

キャンパス内の博物館を案内して頂いた。鉱石の博物館も驚いたが、やはりブタンタン研究所が印象に残った。蛇の毒、血清の研究所だが蛇博物館がすごい。活発に動くアナコンダに大昂奮。ちなみにキャンパスにはカピパラもいます。こちらはただ堀ばたに居ついているだけです。



2019年8月28日水曜日

サンパウロでの生活

サンパウロの冬(日本の夏)は気温の変動はあるものの、過ごしやすい。果物は豊富で安価なのでいろいろ買ってきて朝食につかう。食材ではパルミットという椰子の新芽がとても気に入った。お酒はカシャーサという砂糖黍から作ったお酒がとても自分にはあっているようで、日本に帰っても飲むことになりそう。

2019年8月21日水曜日

ニッケイ新聞社訪問

ニッケイ新聞社へ挨拶に回ると、取材にあたってくれた若手の記者の方は早稲田大学の出身でした。日本文化研究所の所長の菊池先生とツーショットで「人と本の移動」という記事にしてくれた。記事に55歳とあって、友人から54歳の間違いだろうと言われた。思い出してみると歳をきかれたときに「55歳くらい」と答えた記憶が。いずれにせよたいした違いではないし。


2019年8月19日月曜日

サンパウロ大学大学院で教える

招聘教授としてサンパウロ大学で1ヶ月半ほど教えることに。信州大学につとめていた頃から、ブラジル日系移民資料の整理にあたっていたので、自身の調査もかねての渡伯。昔からずっと来たかったがなかなか来ることのできなかった。中東のドーハ経由でサンパウロへ。ドーハからがなかなか長いうえに機内がおそろしく寒かった。着いた翌日に市内を案内して頂いて、サンパウロの移民博物館や日本移民資料館をさっそくまわることに。



2019年7月8日月曜日

白川郷へ、熊と出会う

飛騨高山へ。高山で一泊、レンタカーで白川郷へ。白川郷の合掌造りのうちで一泊。静かな夜。散歩していると蛍がちらほらとんでいました。山が深い。高山への帰りに高速を通らずに「高野聖」の舞台でもある天生峠を通って行った。登山口の駐車場で野生の熊を発見!連れにツーショットをとってもらった。


2019年5月27日月曜日

近代文学会での特集に参加

 26日は日本近代文学会の特集「近代文学研究を縛るもの」のテーマでディスカッサントとして報告。二日続きでそれぞれ別の学会で報告するというのははじめて。むろんディスカッサントなので報告に対するコメントを中心にするという方法もあったが、せっかくなので自身の発表もさせてもらった。前日に扱った戦時下の早稲田大学の「国文学研究の研究」は、研究を何がしばっているのか、を考えるのにとても役立つ情報になると思ったので、それをベースに、私なりに問題提起をしてみることにした。
シンポジウムでは以下の方々からそれぞれの観点で報告を頂いた。打ち合わせも刺激的で楽しかった。

特集 近代文学研究を縛るもの 制度の中の〈正当〉を問う
荒木 優太 在野研究はサークルイズムか?
岩川ありさ 前未来形の文学 「近代文学研究」は誰の生にとって重要であるのか
河野 至恩 「日本語を選び取る」ことと日本語文学 複言語主義から見た近代文学研究と言語

2019年5月26日日曜日

韓国檀国大学校と合同で国際会議

5月25日、韓国・檀国大学校と早稲田大学共同の学術大会「東アジア 知識人文学 国際学術大会」で報告。私は「第二次大戦下早稲田大学の国文学研究 : 変貌する東アジア研究の中で」と題して、おもに国文学研究領域が戦時期に再編されていく過程を論じた。早稲田大学の国文学研究の歴史についてはこれまでにも記述されてきてはいるが、この時期をきちんと調べて論じた研究が空白のまま。戦時期に早稲田大学の国文学領域が果たした役割をできるだけ追ってみた。プログラムへのリンク



2019年4月30日火曜日

戦前ハワイの日本語書店と読者

ハワイ大学のアンドリューと、安里さん夫妻が来日。10年前くらいにオランダで一緒にパネルを行って以来の再会。夫妻は共著で最近ハワイの戦前の日本語書店と読書環境に関する論文(リンク)を発表。公共図書館ではなく書店がコミュニティセンターのような役割を担っていた点や、書店現地の懸賞都々逸といった販売戦略、販売目録など、面白い点を掘り起こしています。
浅草でお昼を一緒に。安里さんは来年早稲田大学に訪問研究者として来られそうとのことで、それも楽しみ。





2019年4月14日日曜日

九州大学に出張

九州大学に博士論文の審査で出張。新しいキャンパスを初めて訪れた。というよりも日本文学研究の人々がそちらに最近引っ越ししたこともはじめて知った次第。山の上部が宇宙基地のように切り取られてその断面に大学があるような感じでした。もともとは古墳のあったところとのことで、建物の最上階はそのための展示施設とのこと。広大な駐車場の向こうに見えるのは有明海。



2019年3月28日木曜日

学科の卒業式

今年も卒業式の時期に。毎年25日だったが、今年は26日に。卒業した皆様、おめでとうございます。


2019年3月24日日曜日

3月の研究会

リテラシー史研究会。今回は発送作業が遅れていたので研究会の日に発送作業を行いました。研究会は榛葉英治日記と、彼が南京事件を扱った『城壁』の読書会。南京事件の表現史のみならず史料面でも榛葉が重要な位置を占めていることが分かる。関連して南京事件関連の研究史も見直していたが、いまだに南京事件を否定する発言が出てきたり、事件を素材にした映画が日本で公開されなかったりと、悲観的な状況をあらためて痛感。


2019年2月28日木曜日

米国議会図書館所蔵の戦前戦中検閲資料

『近代人文学はいかに形成されたか 学知・翻訳・蔵書』(甚野尚志・河野貴美子・陣野英則編、勉誠出版)が刊行されました。「米国における日本語蔵書の可能性 米国議会図書館所蔵の戦前戦中検閲資料から」というタイトルで私は寄稿しました。同所蔵資料への検閲官の書き込み一覧を付けました。


2019年1月30日水曜日

「リテラシー史研究会」12号の刊行

「リテラシー史研究」第12号が刊行。第11号までのデータはリポジトリで公開。目次は以下の通り。

横手一彦 「被占領下の被ばく表現 -『長崎精機原子爆弾記』のことなど」
奥泉圭子 「奥泉栄三郎蔵書目録」
日本力行会関係史料調査グループ 「永田稠「上京日記」、「故郷を思ふ記」(明治三四年)」
康潤伊 「読者を待つ言葉たち -『わたしもじだいのいちぶです』刊行に寄せて」
ベトナム社会科学院所蔵旧フランス極東学院日本語資料調査
 和田敦彦 「共同研究成果報告」
 河内聡子 「逐次刊行物の目録一覧からの検討」