2011年12月27日火曜日

『リテラシー史研究』刊行準備

『リテラシー史研究』の第5号を準備。26日には執筆者を中心に校正作業を行った。今年の目次は以下の通り。教育学研究科のみではなく、研究科の卒業生や社会学研究科、政治学研究科の院生が執筆。

〈論文〉
間嶋剛 坪内逍遙「十銭銀貨の来歴談」にみる翻案と創造
          坪内逍遙『国語読本』から
和田敦彦 家庭に図書館を
          『小学生全集』がやってきた
石川雄輝 双方向メディアとしての明治期農業雑誌
          付・博文館刊行『日本農業新誌』解題・総目次
〈資料室〉
リテラシー史研究会(小林雄佑) 高美書店明治期発送簿目録(2)
小関有希 中里恒子著作目録
          「まりあんぬもの」の可能性
柳澤花七絵 19世紀フランスの挿し絵入り新聞における日本イメージ
          Le Petit Français illustré

2011年12月24日土曜日

信州大での資料調査

松本で信州大学の学生達と、毎年恒例の高美書店の資料調査。早稲田大学の院生とも行っているが、そろそろ資料の概要調査も終盤、残りひと箱となってきた。
 翌日は資料を借り出している高美氏宅により、資料を入れ替えて東京へ。

2011年12月10日土曜日

房総へ


 千葉にでかけた。鋸山、日本寺をまわって千倉温泉へ。日本寺が予想外に楽しい。戦時期には要塞化していたというが、その痕跡も含めて、その地形に仰天。

2011年11月28日月曜日

情報リテラシー教育

26日に立教大学の「情報リテラシー教育に携わる人のための連続講座 情報を評価し判断する力をいかに育むか」で講演。同大学の中村百合子さんが企画の中心。実際に図書館の実務に携わっておられる方も多かったこともあり、その後の質問やディスカッションが非常に実践的、具体的な問題にわたり、自分にとっても図書館という場所と読書について実践的に思考するよい機会になった。

2011年11月20日日曜日

アジ研シンポ、明治大学図書館見学


 18日にアジア歴史資料センターの設立10周年記念シンポジウム「アジ歴10周年の回顧と展望」が小野記念講堂で開催され出席。基調講演にドナルド・キーン氏、来賓で福田康夫氏も顔を見せていた。
 アジ研は、膨大な近現代の歴史文書をデジタル化、公開してきたが、その後のパネルディスカッションは、各国の研究者にとってそれがどういった意味をもったかを体験的に意見交換しあう形になった。

 この日はそのあとで明治大学の図書館へ。明治大学の図書館の副館長は、私の大学院時代の先輩で、以前から見学したいと頼んでいたのだ。特に漫画を所蔵、公開する図書館の構築をめぐる現状や課題を具体的に聞きたかったし、実際に見てみたかった。期待にたがわずすばらしい蔵書だったが、その整理や公開には様々な課題を抱えており、とても勉強になった。この後の経過も含めて、漫画図書館について追っていきたい。

2011年11月7日月曜日

昭和文学会で大阪へ


11月5日に昭和文学会の大会があり、大阪の近畿大学へ。テーマはベストセラーから考える70年代・文学の変容。報告はいずれも面白くはあったが、いずれも文学の変容を小説の中からとらえた報告。それら小説の表現と、70年代の読者やメディア状況と関係づけていく手続き、方法がはっきりと見えてこなかった。夜は梅田で大学時代の友人と久し振りにあって飲むことができた。

2011年11月5日土曜日

ジャーナリズムコース報告会

11月3日の文化の日は政治学研究科のジャーナリズムコースで院生の報告。雑誌をはじめとしたメディア分析も多いが、情報をただ出すだけで、調べる問題意識があまり見えてこない報告も少なくないのが心配、、

2011年10月30日日曜日

講演で専修大学へ


28日の金曜日、私立大学図書館協会での講演「書物と読者をつなぐもの」。生田の専修大学で。同じ日の講演には視覚的な読書イメージを調査している安形麻理氏、読書における紙と電子メディアの違いを認知心理学的な方法で検証した柴田博仁氏の講演があり、講演しに行った先でいろいろと資料やデータにふれて、刺激を得ることができたというのはとてもラッキー。

2011年10月17日月曜日

10月の研究会

10月15日にリテラシー史研究会。この日は日本近代文学会の大会の日で、編集委員でもあるので本当は学会に出るべきなのかもしれないが、北海道ということもあって研究会を優先。高美書店の概要調査。10箱を越える量だったが、そろそろ終わりが見えてきた。

2011年10月15日土曜日

群馬での講演


10月13日に群馬県立図書館で講演「角田柳作 日米の架け橋」。午後6時からの講演で7時半までの1時間半。時間も遅いし、長時間だったのだが、100人ほどの方が参加して熱心に最後まで聞いてくれた。群馬県立図書館ではあわせて角田柳作の関連展示も開催していた。

2011年10月12日水曜日

書評を持って両親が上京

両親がコンサートを聴きに上京。喜寿のお祝いを昨年できなかったのでお祝いがてら一緒に食事。8日の日曜日『高知新聞』に『越境する書物』の書評が出ていたとわざわざ持ってきてくれた。大島真理氏のとても好意的な書評で、両親が喜んでいた。家族はありがたい、、、

2011年10月10日月曜日

『越境する書物』紹介記事

先月『毎日新聞』の方が『越境する書物』のインタビューに来てくれた。内容についてまとめた記事が10月9日の日曜日の朝刊に。写真つきでかなり大きく扱ってくれており、ありがたい。こうした研究に関心をもってくれる人が増えてくれればと願うばかり。
ウェブ版はこちら。

2011年9月17日土曜日

日本力行会での調査

15日と16日に日本力行会で調査。会の機関誌『力行』『力行世界』の総目次、明治、大正期分がほぼチェックを終えたので、大学の紀要に掲載できるよう準備を進めた。解題の作成準備やその最終チェックのために二日間、会で作業。

2011年9月15日木曜日

ゼミ合宿


卒業を控えた4年生(含卒業しない学生)の合宿。今年は富士五湖の西湖畔で。夜はバーベキュー&花火でなかなかリア充な合宿でした。

2011年9月10日土曜日

五十嵐調査

9月9日に五十嵐書店調査。先月に調査している五十嵐さんが喜寿を迎えたとのこと。おめでとうございました。夜はこのところ調査で定番の松銀亭へ。

2011年9月6日火曜日

青森へ


9月頭にはじめて青森を旅行。初日は青森市の中心部を、二日目には八甲田山から奥入瀬に回って一泊し、弘前を回ってきた。台風とほとんど同じようなタイミングで北上していったが、幸いほとんど雨には見舞われなかった。ただなかなか暑い青森でした。

2011年9月4日日曜日

私図協の大会


私立大学図書館協会の総会、大会が早稲田大学で開かれた。初日の総会、そして二日目の大会と、講演や研究報告を含め盛会。協会の会長校の立教大学で図書館長をつとめている石川さんは同じく近代文学の研究者で昔からの友人。忙しそうだったけれどひさびさにゆっくり話すことができた。

2011年8月28日日曜日

『越境する書物』の紹介

立教大学の中村百合子さんより講演企画のお話しを頂いた。中村さんといえば『占領下日本の学校図書館改革』(慶應義塾大学出版会、2009年)で著名。ご自身のブログで、新刊の拙著『越境する書物』についても詳細に解説。ありがたいです。

http://d.hatena.ne.jp/to-yurikon/20110825

2011年8月6日土曜日

高美書店調査



今週は松本に出張。信州大の学生達と高美書店の概要調査を行った。
しばらく手紙の整理が中心だったが、今回の整理資料にはおもしろい出版資料が数多く含まれていた。
まず驚いたのは明治三年に東京の丁字屋忠七から高美に売り渡された版木の証文。約四五〇丁というかなりの量の取り引きがなされている。
また、明治一二年から一四年にかけての「出版版権御願」の綴には、この時期に高美が出版したの本の版権届けがまとめて綴られていた。
公的な届けの類が役所でなく書店に残っているのは、届けの際に書式を二部(書名、捺印とも)作成して、一つは控えとして綴って保管していたためだろうか。
いやはや出てくる資料に驚くばかり。

2011年8月3日水曜日

『越境する書物』を刊行

新曜社からく『越境する書物』を刊行しました。



ほぼ書き下ろしで、史料面、方法面では前著の『書物の日米関係』と重なりつつ、そこから発展させていったもの。

2011年7月22日金曜日

卒論報告会

21日は4年生ゼミの卒論報告会。今年は卒論が20人ほどなので、毎週4、5人ずつ卒論の相談を進めていた。今回は全体で顔を合わせて各自の卒論テーマ、進行状況を報告。その後はAttonで打ち上げ。

2011年7月17日日曜日

リテラシー史研究会、ジャーナリズムコースの報告会

16日の土曜日はリテラシー史研究会。久々の高美書店近代書店資料の概要調査。高美書店資料は『国定教科書はいかに売られたか』の刊行で整理に役立つデータをまとめたこともあって、整理の環境はかなり整ってきた。その後は勝芳で打ち上げ。
この日は政治学研究科ジャーナリズムコースの院生報告会も重なり、そちらで指導も持っていたこともあって報告会場にも顔を出したりと、あわただしい一日。

2011年7月8日金曜日

米海軍日本語学校

コロラド大学と共同で、同大学の米海軍日本語学校アーカイブズの紹介を行ってきたが、そのサイトを見たテレビの制作会社から取材。ドナルド・キーンさんについてのドキュメンタリを制作中とのことで、関連する写真資料が使いたいということだったので、コロラド大学と仲介。早稲田大学図書館も角田柳作関係の資料提供に協力することとした。

2011年6月30日木曜日

避難訓練


6月30日は避難訓練。地震の際には早稲田大学では基本的に揺れが収まるまで建物内で安全を確保するという方針。16号館も耐震強度のチェックで安全とされてはいるが、何しろ建物も古いし通路や階段も狭いということで、建物から退去する訓練を独自に行ない、問題点を点検。

2011年6月27日月曜日

九州の旅


福岡から大分を旅行。博多で一泊して湯布院を経由して別府へ。それにしても暑い。

2011年6月20日月曜日

院生の論集合評会


近代文学を学ぶ修士の学生達が中心として出している論集『研究と資料』の合評会が19日にあった。ほとんどの院生が執筆しているため、ボリュームがすごい。合評会は午後中ずっと。その後は打ち上げ。

2011年6月19日日曜日

力行会調査

6月18日はリテラシー史研究会。今日は日本力行会での調査。雑誌『力行世界』の総目次を作成している。これら会の雑誌の復刻出版の計画も出版社で進んでおり、今後の展開が楽しみ。打ち上げはいつものおしどりで。参加者がやや減っているのが残念。

2011年6月13日月曜日

松山での講演


12日に松山で講演。「読書の歴史と現在 読者の歴史を考える」というテーマで。当日はかなり荒れた天気だった。松山の中央にある商店街はにぎやかで、飲み屋さんも安くておいしい店が多く、高知の商店街を思い出してしまった。

2011年6月11日土曜日

善通寺



信州大学の友人がサバティカルで香川の善通寺におり、調査をしているというので、資料を見に行った。近世以前の資料は宝物庫に整然と整理されていたが、明治の雑誌類は蔵で長い間手つかずで眠っていた模様。しかし瀬戸内で流通していた各種宗教雑誌がたくさんあって非常に面白い。宗教雑誌は宗教にとどまらず、その時代の思想、教育やジェンダーまで、幅広いテーマをカバーしており、いろいろな問題を含んでいそう。

教育実習


6月10日に教育実習の協力教員として国分寺高校へ。実習生の研究授業を参観。ひさびさに「羅生門」の授業を受けた。

2011年5月31日火曜日

引越


部屋が少し手狭に感じられてきたのでより広いところに引越し。300メートルくらいだが豊島区から新宿区に変わった。神田川べりで、大学からは歩いて5分。

2011年5月29日日曜日

赤子の会


教え子に子供が生まれ、この日はその赤子を囲んで友人でロマーノに集まった。皆で抱っことミルクやり体験を順番にさせもらいました。貴重な体験をありがとう。

2011年5月27日金曜日

学院・文学

毎年のことだが、早稲田の高等学院に授業に行った。早稲田の国文関係の教員で回り持ちしながら「文学!?」という授業をしている。高校生達とのディスカッションがいつもながら新鮮。

2011年5月23日月曜日

『リテラシー史研究』第4号合評会

21日は『リテラシー史研究』第4号の合評会。執筆者には遠方からの参加もあり、盛況でした。この雑誌も科研や大学の助成などを受けつつはや4号。第5号も是非出したい。原稿は今年も募集中。

2011年5月19日木曜日

国定教科書はいかに売られたか


調査にあたっている高美書店の資料をもとにした研究の成果が『国定教科書はいかに売られたか』として刊行された。明治期の出版、販売関係の翻刻資料もたくさん収められている。目次は以下の通り。

『国定教科書はいかに売られたか 近代出版流通の形成』(ひつじ書房、2011年)

第一章 教科書史、その資料と歴史の空白       和田敦彦
第二章 高美書店の風景 歴史・人・空間       磯部敦
第三章 「特約販売所」としての高美書店
       「二重」契約の成立          中野綾子
第四章 国定教科書特約販売所としての地方書肆
       書簡・通達文書から          柴野京子
第五章 教科書販売は儲かるのか
       取次販売所の契約と経営        小関有希
第六章 国定教科書取次販売所の取引現場を辿る
       長野県一書肆の事例を追って      河内聡子
第七章 遅れる教科書
       教科書供給問題の構造と責任      甲斐伊織
第八章 国定教科書流通の地理的空間
       空から見えてくる問題         小林雄佑
第九章 国定教科書時代の各販売所記録
       「事業報告書」と「営業決算報告書」  八木万祐子

2011年5月12日木曜日

研究室がようやく


5月6日にようやく授業が始まった。やっと学生相手にいつものように仕事が出来るのがとても嬉しい。研究室は震災から2ヶ月たった5月12日、ようやく書架の工事が終了し、もとどおりに。というかもとよりだいぶきれいに。

2011年3月31日木曜日

図書館の被災地支援

授業開始が一ヶ月延期となった。しかし図書館は開館しており、4月にはしだいに通常の開館時間に近づいていく。図書館長の意見もあって、今月と4月、早稲田大学の図書館を被災地の大学、短大生が誰でも使えるサービスをはじめた。

被災地域の大学・短期大学等に所属する学生・教職員の皆様へ

2011年3月29日火曜日

卒業式のかわりに


震災のため卒業式は中止。学生がいっせいにキャンパスに集まることを避ける大学の措置。大学に来た卒業生に個別に卒業証書を渡すことになった。卒業生のみなさんおめでとう。

2011年3月16日水曜日

震災、現状


問い合わせも多いので現状を。震災で研究室はかなり悲惨な状況に。震度5でこれだと余震もかなり心配ではある。ただ、私のいる16号館の10階はたぶんキャンパスでは一番ひどいところなのでほかはこれほどでもないかと。国文の教員は皆無事の模様。学生達についての心配はつのるばかり。関東、東北の学生は数多いし、大学全体としての対応は遅れているし。とりあえずは少しずつ研究室をなんとかしていくしかない。

2011年3月7日月曜日

カナダで調査


3月3日から6日にかけてカナダのブリティッシュコロンビア大学へ。大学の日本語図書館の管理に当たってきた権並さん、シリンさんと会った。また、日系カナダ人アーカイブで調査。着いた日は時間に余裕があったんで宿泊地近くのグランビルアイランドの市場へ買い物に。

2011年2月15日火曜日

JBCプロジェクトのその後

ここ4年ほど制作していた本の原稿がようやくのことで脱稿。米国日本語蔵書の調査をベースにした2作目で、JBCプロジェクトもひとまずの区切り目となる。とりあえず出版社に原稿を渡し、私は掲載写真の再撮影や掲載許可申請を進めるところ。とりあえず終わってほっとした。

2011年2月9日水曜日

3年相談会

2月9日には3年生ゼミの面接。学年末レポートを読んで、この後の調査計画を含めて相談に乗る時間を今年から設けた。ただ、この日は入試のためにロックアウトとなっていたので、図書館のグループ読書室を借りて行った。希望者のみだったが7、8人。

2011年2月1日火曜日

修論面接が続く

1月28日には政経の大学院ジャーナリズムコースの修士論文の面接。私は副査で二人担当していたので面接に出かけた。そして一日おいて31日は教育学研究科の修士論文の面接と打ち上げ。私は来年度からは教育学研究科でもゼミを開くこととなった。現在近代文学の大学院は3ゼミだが、次年度から4ゼミとなる。今の時期はなかなか忙しい。

2011年1月29日土曜日

教育総合研究所の報告会

1月29日には、早稲田大学教育総合研究所での助成研究の報告会があった。私は今年度から来年度にかけて「明治期国定教科書販売関係史料の調査、及びその公開のための研究」というテーマで助成を受けているので、その成果報告を行った。